二十四日 生命(いのち)の尊厳(そんげん)

重須殿女房(おもんすどのにょうぼう)御返事にいわく

 わざわいは口より出でて身をやぶる。

 

 さいわいは心より出でて我をかざる。

 

(1 60歳 2 弘安4年 3 身延 4 1856頁)

口語訳「日蓮聖人全集」より

 悪い言葉は口から出てその身を破滅させます。善い行ないは心から出てその人を幸せにします。そのように、何ごともその原因を作ったところに結果が返ってくるものです

事理供養(じりくよう)御書にいわく

 魚は水にすむ、水を宝とす。

 

 木は地の上におい(生)て候(そうろう)、地を財(たから)とす。

 

 人は食によって生あり、食を財(たから)とす。

 

 いのちと申す物は、一切の財(たから)の中の第一の財(たから)なり。

 

(1 55歳 2 建治2年 3 身延 4 1261頁)

口語訳「日蓮聖人全集」より

 たとえば魚は水中に住んでいて、水を宝とする。木は地の上に生えていて、土地を財としているのと同じである。すなわち人間は食物によって生きているのであり、食物を第一の財としているのである。命というものはすべての財宝の中の第一に大切な財物である。