十七日 釈尊(しゃくそん)の御領(ごりょう)

弥三郎殿(やさぶろうどの)御返事にいわく

 今この日本国は釈迦仏(しゃかぶつ)の御領なり。

 

 天照太神(てんしょうだいじん)・八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)・神武天皇(じんむてんのう)等の

 

 一切の神・国主並びに万民までも釈迦仏の御所領(ごしょりょう)の内なる上、

 

 此の仏は我等衆生に三の故(ゆえ)まします大恩(だいおん)の仏なり。

 

 一(いつ)には国主なり、二には師匠なり、三には親父(しんぷ)なり。

 

(1 56歳 2 建治3年 3 身延 4 1366頁)

主師親の三徳

 日蓮聖人が特に強調した釈尊の三徳で、釈尊こそが我々にとって主であり、師であり、親であるということ。これは法華経譬喩品の「今此の三界は皆これ我が有なり、その中の衆生は悉くこれ吾が子なり、而も今この所は諸の患難多し、ただ我れ一人のみ能く救護をなす」と説かれた経文によって立てられた法門で、日蓮聖人独特のものである。主徳とは衆生を守護する徳、師徳とは衆生を導き教化する徳、親徳とは衆生を慈愛する徳で、この三徳を具備していることが衆生救済の仏の条件とし、これを具備しているのは釈尊一仏であるとする。

妙法蓮華経譬喩品第三

今此三界 皆是我有 其中衆生 悉是吾子

 

而今此所 多緒患難 唯我一人 能為救護

 

http://www.ryujukai.com/法華経を学ぶ/譬喩品第三

仏蹟参拝・ブッダガヤーにて
仏蹟参拝・ブッダガヤーにて