陰暦7月15日は、中国の道教の教えで中元と云われる。
1月15日が上元、10月15日が下元。
中元は人間の罪を許す神を祭る贖罪の日とされる。
日本では仏教の盂蘭盆会と結びつき先祖を供養するお盆の行事となった。
盂蘭盆会の語源、ウランバーナは倒懸(逆さに吊るされた苦しみ)という意味。
お釈迦様の時代、仏弟子で神通第一の目連尊者が、
餓鬼界に落ちて苦しむ母親を救うために
インドの雨安居の時期に施餓鬼供養が行われたと伝えられている。
しかし事典を調べれば、これは中国で創作されたお話という事になっている。
目連尊者は神通力で仏教の教団を守ったので、多くの恨みを買った。
そして、最後は刀杖バラモンという集団に襲われ撲殺される。
駆け付けた親友である智慧第一の舎利弗尊者に
「君は何故、神通力で襲撃を避けなかったのか?」と問われ
「これは私が過去世において父母を苦しめ殺した報いなのだから」と答えたという。
宿命通で自らの過去世の業を知り、天眼通で愛しき母の往った世界を見られたことであろう。
餓鬼界で苦しむすべての人々を救おうと願うのが施餓鬼供養である。
目連尊者はお釈迦様から多摩羅跋栴檀香如来となるとの予言をいただく。
「目連尊者が法華経を信じまいらせし大善は、我が身仏に成るのみならず父母仏に成り給う」
日蓮聖人のお言葉である。