仏様の慈悲を抜苦与楽という。
苦を抜くとは、一緒に涙を流す母親の悲しみの愛。
楽を与えるとは、みんなを幸せにする父親の慈しみの愛。
ふと本棚に目をやり、ページを開くと金子みすずの詩に出会う。
「さびしいとき」
私がさびしいときに、よその人は知らないの。
私がさびしいときに、お友だちは笑うの。
私がさびしいときに、お母さんはやさしいの。
私がさびしいときに、仏さまはさびいしいの。
仏様はいつも身近にいて、苦楽を共にしてくれる。
そのことに気付いてとささやく声がする。