インドは仏教発祥の国であるが、現在はヒンズー教徒が8割をしめる。
ヒンズー教では悪しき慣習として宗教による階級制としてのカーストの差別があった。
現在はインド憲法により人権の平等が示されているが、永い間の慣習は今も消えていない。
そのインド憲法を起草したのがカーストの最下層とされた不可触選民出身のアンベードカル博士であった。
英国からのマハトマ・ガンジーによるインド独立の時、アンベードカル博士は法務大臣を務めていた。
そして、永い間虐げられてきた人々の尊厳を取り戻すために、1956年10月14日
アンベードカル博士は、60万人の同胞と共にヒンズー教から仏教に改宗した。
その2か月後の12月6日、65歳で急逝したのである。
時は流れ1968年、一人の日本人僧侶がインドへの改宗の聖地、南天のナグプールにやって来た。
それが写真のアンベードカル博士の肖像の前で、毅然とした面持ちの佐々井秀嶺聖人である。
聖人は博士の偉業を引き継ぎ、ナグプールの地で10月14日に何万人もの参加者を集め大改宗式を続けている。
そして、今やインドの仏教徒は1億5千万人に達するとのことである。
仏滅後2,500年を経てインドに蘇生している仏教は、宗派でなく上座部でも大乗でもなく一仏乗の人類普遍の宗教である。
そのバイブルがアンベードカル博士が書き残した「ブッダとそのダンマ」であるという。
今日その貴重な書籍が届いた。心して拝したい。