〈in the morning〉
昨日の夕方はいつものように停電。夕食は8時からで、それまでの時間まっくらな庭にベンチを出し夜空を見上げる。使っていない近眼用のガンジー眼鏡をバックから出し久しぶりにかけてみると更にくっきりとその数を増して星が広がる。あたりは闇。ずっと見上げていると、まるで自分が宇宙空間をさまよっている様な感じ。懐かしい感覚である。50億年以上昔に自分の体を構成する塵が宇宙を彷徨っていた頃の記憶かも知れない。昼間、太陽寺院のスケッチをした。太陽は全てのものを生みだした「神」である。そして夜空に輝く星は無数の「太陽」無数の「神々」である。
〈in the night〉
今日は1日20ルピーの新しい?自転車を借りる。午前中、初めは軽快にハイスピードでビーチへ向かう。少し走ると1段変速はやはり疲れる。あたりを見ながら海岸まで、そして波打ち際を海の方を眺めながら走ってみる。途中ウミガメやイルカの死骸が打ち上げられている。前方に漁村が見える手前で自転車を降り、しばし砂浜で過ごす。長い砂浜を漁村の人たちがトコトコ歩いて通り過ぎてゆく。帰りは潮が満ちて来て自転車のタイヤが砂に取られだす。結局トコトコ自転車を押しながら戻って来る。
海岸の茶店でサモサと甘いシロップ漬けの菓子を食べ一度ホテルへ戻る。自転車に乗るのもかなり疲れるが、サイクル・リクシャーを引っ張るのはつくづく重労働であろうと思う。それだけで自転車を返すのも惜しいので、午後4時頃から反対側の方向へ自転車で1時間ほど走る。町のはずれに学校があり、丁度子供達がぞろぞろ帰って来る。皆珍しいものを見るように驚いている。さらに走り続けると家は途切れ左右に大地が広がる。
いつもバスで走り抜けるところを、こうやって自転車で風を切って走ってみると、つくづく一人でこんなところへやって来たという実感に浸る。また前方に集落があり、そこを抜ける時は皆がジロジロと視線を浴びせてくれる。ほとんどツーリストなど来ないところなのだろう。自転車を止めて道端から夕陽の方を見ていると、子供が歩いて来て立ち止まり、ただじっと見ているだけ。そのうち彼のお父さんがやって来て何やらしゃべるが、お互い言葉は通じない。ジャパンとかコナーラクとかそんな単語しか伝わらないみたいだ。
そこからまたコナーラクの方へ戻ってゆく。自転車を戻してサモサ4個とチャーイを出してくれる店で休み、スールヤテンプルへ行ってみる。真っ赤な太陽が木立の向こうへ沈み、人々は寺院から出されている。正面のゲートからそんな夕空と寺院のシルエットの変化を眺める。ホテルへ戻り真っ暗になる前にシャワーを浴び夕食のオーダーなどする。夜7時半からチキンスープとベジタブル・カレーにライス。じゃがいものカレーライスを食べている感じであった。夜も一時ついていた電気が9時過ぎに再び止まる。ローソクの火もそろそろ尽きようとしている。
明日は一日、いよいよすることが何~にも無くなってしまった。