1987年12月4日(金) 仏蹟参拝ツアーに合流して②

 10日間のツアーが今日で終わった。仏蹟を廻る今回の旅は少々ハードなスケジュールで、覚悟はしていたが少々しんどかった。しかし終えてみるとあっという間ことであった。今頃は皆さん飛行機でお酒など飲み、疲れた体で日本に着くのを待ち遠しく思っていることでしょう。

 

 今夜僕は、今回のツアーをずっとガイドしてくれたアショカさんのデリーの自宅にお邪魔し、奥さんのつくったフィッシュとダル(豆)とマッシュルームのカレーにチャパティーのディナーをご馳走になり、こうして何日かぶりにノートを開いたところである。

 

 11/27 この日はナ―ランダ大学前でバスを降りた時、チャクラバティーさんが待っていた。ブッダガヤーから数珠ボーイのバイクでやって来たとのこと。昨夜アショカさんにくわしく話していたので良かったと思う。母を紹介し先日のお礼を言う。簡単に翌日の話などした後は外で待っているところなど、何か安心できる人だなと改めて思う。

 

霊鷲山にて
霊鷲山にて

 それから一行はラージギルへ向かい、暗くなり始めた霊鷲山(りょうじゅせん)という釈尊が説法をされた山に登り、法華経をとなえる。星空の下でのお題目はとても素晴らしく思えた。

ラジギールのホテル 法華クラブ
ラジギールのホテル 法華クラブ

 11/28 ブッダガヤーの日本寺で、母と2人団体一行を離れリクシャーで大塔脇のマハボディーまで行き、そこでチャクラバティーさんと逢う。ツーリストバンガローに部屋をとってもらい、夕食は彼の料理したチキンカレーとチャパティーをホテルの部屋でご馳走になる。来年の8月、オリンピックの取材の前後に日本を訪れるつもりとか。その時にはお返しができればと思う。

ツーリストバンガローにて
ツーリストバンガローにて

 11/29 ガヤー駅まで送ってもらい、列車でベナレスへ5時間程の親子の旅。1等車のコンパートメントでインド女性3人連れと一緒になる。とにかくよくしゃべる女性たちであった。ベナレスへ着いて迎えの人は見当たらず、オートリクシャーでタージガンデスホテルまで。一行は午前中のガンジス河の日程から戻っていない。ホテルで待ち、皆が戻ってから一緒に昼食をとる。

ガヤー駅で列車に乗車
ガヤー駅で列車に乗車

 昼からは皆さんは休憩。アショカさんには二度手間となり申し訳なかったが、母と3人でサルナートへ。はじめにサルナートに日本のお寺を建立しようと1人で頑張っている佐々木上人へ差し入れを届けに行く。もうかなり年配で腰も痛むらしく本当に大変だと思う。佐々木上人のお話を聞き、とちゅう目頭が熱くなる。話の中で虚空に聞こえた「しっかりしろー」という言葉は、なんとやさしい言葉でしょう。まるでそれが聞こえてくるような感じがした。

佐々木鳳定上人と
佐々木鳳定上人と

 そこを辞し、サルナートをみてからガンジスのガ―トへ行きボートに乗る。その後アショカさんの勧めでガ―トにいるサドゥーにお祈りしてもらう。「何を頼みますか」と言われ、すぐに出てこず少々当惑。あまり日頃お願い事をもっていないようだ。あえて言うなら「インドでたくさんの神々に出逢うことができますように」

 

 11/30 この頃から少々下し気味となり、加えて連日のバスの旅が体にこたえる。体調を崩し、体力を落とすと、いままでたくわえた沢山の病原菌に負けてしまうと少々気にしだす。この日は入滅の地クシナガルの参拝。

 

涅槃堂にて
涅槃堂にて

 12/1 この日の目的地は釈尊ご降誕の聖地ルンピニー。後はバスの旅。途中日本のツアーの団体と前後する。

当時のルンピニー
当時のルンピニー

 12/2 バルランプールから祇園精舎へ。ここで関西大学の一行が遺跡の発掘を行っており、責任者と思われる教授がいろいろと説明してくれる。

タージマハルにて
タージマハルにて

 12/3 デリーからバスでアグラーへ往復する観光。当初予定していた飛行機はタイムスケジュールが変更したようだ。タージマハルは去年、勤めていた会社の正月休みに一人で訪れた。そんな旅がきっかけとなり、今こうして再び訪れたわけである。

両手の指が届けば再びインドに来るとか
両手の指が届けば再びインドに来るとか

 12/4 そして今日、午前中はデリーの市内観光をし、ホテルへ戻ってからは皆あわただしく荷造り。皆さんたくさんのお土産を整理するのが大変そうである。どうしても短いツアーでは、おみやげ・写真・ハードスケジュールをまぬがれない。しかし、今回皆さんに同行させてもらって福岡県の方々と面識を持て、思い出が出来たことは大変よかったと思う。

 

 今夜はかなり疲れており、10日間のうちに感じたことなどを書く気力がない。しかし、母親と過ごしたインドの旅は大切な10日間でした。今日から Alone again、 元旦にインド最南端のカニャクマリを1つの目標に計画を立て、また気力と体力を体に充たして再出発しよう。