午前10時頃ガヤーのホテルを出て、乗合タクシーでブッダガヤーへ。一本道の左側は仏陀が沐浴をしたナイランジャラー河、その向こうに苦行をした前正覚山が見える。南国を感じさせる高いヤシの木が並び、風景はすばらしく美しい。
到着後まっすぐ菩提樹の下の金剛宝座へ来る。その後、印度山日本寺へ。それから町の中にあるツーリストバンガローで1人の日本人ツーリストと出会い、Tibetan Rest Houseを教えてもらいツイン20ルピーの部屋を同室させてもらう。
午後は1人でナイランジャラー河へ。きれいな水が流れているが歩いて渡れる。中州にある大きな木の枝に登り、しばらくの間風景を楽しむ。
木を降りた時、向こう岸のスジャータのストーパと村へ行きたくなり、砂漠のように広い河床を白い祠をめざして歩いてゆく。50メートル程に近づいた時、その祠あたりから10人程の男の子たちが飛び出してきて僕を取り囲む。
皆でうばい合うようにしながら、めいめい話しかけてくる。それから彼らと一緒にスジャータのストーパと寺院を訪ね、お寺の裏で日本語の歌や、空手の真似ごとやビー玉など楽しい時間を過ごす。なかなか賢い子もいる。
お寺の参拝帳に名前とメッセージを記し、お賽銭を入れていよいよ彼らと別れねばならない時、やはり各々がお金を欲しがる。何かと面倒をみようとした子は最後まで粘るが、お金を与えることが彼らにとって良くないことであるのは初めから分かっていたし、それは彼らに再々言っていた。
一度言ってわかる子、やさしくさとしてわかる子、少々おどして逃げる子とそれぞれいたが、どの子も憎めぬ子供達である。一緒に遊ぶ時は無邪気な子供達である。
背中に遠く彼らの叫ぶ声が聞こえるが振り向くことなく、さよならを心につぶやき対岸へ歩く。