六日 信心唱題

妙一尼御前(みょういちあまごぜん)御返事

 それ、信心と申すも別にはこれなく候(そうろう)。

 

 妻のおとこ(夫)をおしむがごとく、おとこの妻に命をすつるがごとく、

 

 親の子をすてざるがごとく、子の母にはなれざるがごとくに、

 

 法華経・釈迦・多宝・十方の諸仏菩薩・諸天善神等に信を入れ奉りて、

 

 南無妙法蓮華経と唱えたてまつるを信心とは申し候なり。

 

(1 59歳 2 弘安3年 3 身延 4 1749頁)

身延山久遠寺祖師堂「棲神閣」
身延山久遠寺祖師堂「棲神閣」