⑦弥勒菩薩と求名のこと

法華経の序品に弥勒菩薩が登場する。

 

「時に一人の弟子あり 心常に懈怠を懐いて 名利に貪著せり 名利を求むるに厭くこと無くして 多く族姓の家に遊び 習誦する所を棄捨し 廃忘して通利せず 是の因縁をもっての故に 之を號けて求名と為す」序品第一

 

仏教に於ては釈尊の次の56億7千万年後に出現する仏として有名な弥勒菩薩の過去世にしては、余りに情けない仏弟子である。心の何処かに引っ掛かりつつも、文殊と弥勒の問答で序品が構成されていると解説してきた。

しかし、ここに仏教の最終章としての法華経編纂の甚深の意図があったと、植野雅俊先生の「法華経とは何か」で教えて頂いたのである。

 

大聖人曰く「仏過去にも滅せず 未来にも生ぜず 所化以て同体也」観心本尊鈔